日銀の経済指標「経済・物価情勢の展望」
経済・物価情勢の展望は日銀のレポートですよ
これは「展望レポート」とも呼ばれていて、2014年くらいなら希望キラキラで読めたのですが、最近ではちょっと辛い気分で読まなくてはならないレポートとなっています(;^_^A
経済・物価情勢の展望(展望レポート) : 日本銀行 Bank of Japan
CFP®の試験では、ここから「最近は外国人観光客も減ったね~」みたいな変化を読み解く問題が出ます。
数値や文字を消したサービス収支のグラフが出てきたりするのです。
ここからは、親しみやすさもあるので「展望レポート」と表記しますね。
最新の展望レポートは10月に発表されました
これを書いている時点での最新の展望レポートは、2018年10月版です。
説明文を引用してみましょう。出典はこちら↓
http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/index.htm/
日本銀行は、年4回(通常1月、4月、7月、10月)(注1)の政策委員会・金融政策決定会合において、先行きの経済・物価見通しや上振れ・下振れ要因を詳しく点検し、そのもとでの金融政策運営の考え方を整理した「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)を決定し、公表しています。
土日や祝日が絡むと、翌月になったりするらしいですが、年4回発表されるのですね。
レポートはPDFで用意されていて、「基本的見解」というのが今回は10ページ、日銀の金融政策決定会合と同時に発表されます。今回はハロウィン緩和はなかったけど10月31日でした。
翌日、「背景説明を含む全文」というPDFがアップロードされます。
43ページあります(;^_^A
こちらに消費者物価指数などの主な経済指標のグラフのほかに、為替、株価指数、そして地価などのデータがしっかり収められています。
試験には、グラフがでるのですが、どれが出るのかはわかりません。
でも出やすい分野というか、傾向はあります。
10月の展望レポートで私が気になったところ
試験に出やすいのは、そのときに話題になっていることのようです。なので、昨年2017年くらいまでは、外国人観光客がどれだけ日本の経済に寄与していたか、みたいな問題が出ていました。
2018年10月のレポートで気になったのは、以下です。
・2019年10月の消費税増税がそろそろ景気に影響をおよぼしつつあること
・実質GDPのグラフを見ると、ぜんぜん伸びていない
・リーマンショックの2008年のあと、経常収支も17年をピークにじわっと下がっている
・2016年からやっと黒字に転じた貿易収支も2018年はギリギリプラス
・鉱工業生産のグラフでは、生産よりも在庫が多いのも気になる
特に貿易収支は、2018年に突然(?)起きた米中貿易摩擦(貿易戦争?!)もあって為替に影響を与えていますね。
ドルが円に対して伸び悩んでいます。(貿易摩擦の言い合いが激しかったわりには下降が少ないのですが)
日銀メンバーの世界経済に対する予想もあるのですが、それと国内に関しての意見を見るとおおむね「世界経済の緩やかな減速と共に、我が国もそれほど景気よくならないよね」という考えが主流のようです。
製造業が生産はしているのに在庫が多いというのは、「作っても売れない」ということをあらわします。これも今後の日本経済を不安にさせてしまいます。
最近の日銀
しかも、以前は究極の目標だった「消費者物価2%」は2018年8月の会合で「2%」のところを削除したことであいまいになってしまいました。
もうどんどん日本経済落ちるばっかり?のかというと、展望レポートのなかには、「いや良いんだけど」という表記もみえます。
なんのかんので、2020年まではどうにかこうにか景気の拡大基調が続くとみられる、と最初のほうに書いてあります。
http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1810a.pdf
金融政策は、変更なしで以前大騒ぎになった政策を引き続きしつこく(笑)続けるそうです。
10月のレポートには”2%の物価安定の目標を目指し”とまた書いてありますし、
「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」もひきつづき続けるとなっています。
マネタリーベースも消費者物価指数が安定するまでジャブジャブと増やしますよ、となっています。
(いまやっと1.0%前後です。これでも偉いもんだと思いますけどね。っていうか物価上がるのは悲しいけど)
で、どこが出る?
CFP®の試験にはどこが出るでしょうか?
次の試験は来年の春先になるので、情勢が変化するかもしれませんが、ここまでの展望レポートを見るとどこが出るのかな?
はずれても責任とらないけど、
なんかの棒グラフが出るかな?!
ここのグラフね↓
http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1810b.pdf
設備投資と雇用者所得、名目賃金がここ数年上がっているのも気になります。賃金ということですが、これが上がらないと日銀の究極の目標である消費者物価指数も上がらないのです。
パートが多く正規が少ないのは、相変わらずのようです。
あと、商品市況もちょっと気になります。10月のレポートの時点では、原油は高騰していました。でもこれを書いている今日11月13日には、やっぱりトランプ大統領のせいで下がっているのです。
日本の物価にも影響するので、次の展望レポートの1月もチェックする必要がありますね。
こういうの普通当たらないけど、参考までに。